てるてるブログ日記

音楽とか読書とか、

勝手にふるえてろ −自分をわかってもらっているのか−

 

映画『勝手にふるえてろ』を観てきました。

前知識入れずに松岡茉優ちゃん初主演映画ということで観に行きましたが、ラブコメディでしたね。でも客層におじちゃんが多かったのはなんでだろうか?

 

あらすじ:

OLのヨシカは同期の「ニ」からの突然の告白に「人生で初めて告られた!」とテンションがあがるが、「ニ」との関係にいまいち乗り切れず、中学時代から同級生の「イチ」への思いもいまだに引きずり続けていた。一方的な脳内の片思いとリアルな恋愛の同時進行に、恋愛ド素人のヨシカは「私には彼氏が2人いる」と彼女なりに頭を悩ませていた。そんな中で「一目でいいから、今のイチに会って前のめりに死んでいこう」という奇妙な動機から、ありえない嘘をついて同窓会を計画。やがてヨシカとイチの再会の日が訪れるが……。 (映画.com)

 

とにかく松岡茉優ちゃんが可愛かった〜。そしてそんな松岡茉優に想いを寄せるまっすぐな渡辺大知くんがすごく元気をくれる人物で、その真っ直ぐさにニコニコしてしまいました。

 

でもタイトルである通り、一番印象に残ったのは自分は誰のことをわかっているのか、自分を誰にわかってもらえているのか、ということでした。

 

ヨシカに恋する「ニ」くん、「ニ」というのは二番目の「二」であって、ラインを交換したその日にキリハラという名前は編集されてしまいました。不名誉なそんなあだ名「ニ」くんの前ではとても言えない。だから「ニ」くんには、「江藤さん」「よしか」と呼ばれても、相手の名前なんて言えない。そんなヨシカの相手を知らない、知ろうとしない姿が、グサっと刺さってしまいました。

 

また、同窓会に出席したヨシカ、でも自らが計画したのに嘘を使っていたからこそ企画者が自分だなんて周りは思っていなかったこと、高校時代地味だったことからクラスメイトと再会しても「誰だっけ、あれ?」と名前を思い出してもらえないこと。誰からも知ってもらっていない現実がよしかに突きつけられるシーンがとても切なかった。

 

でも、そんなヨシカに「ヨシカ!」と名前を叫び続ける「ニ」くんと心配する同僚の久留美ちゃん。周りで自分のことを思っている人に対しても、疑いキツく当たってしまうヨシカ。自分のことを大切に思っている人をわかってあげられないヨシカ。結局誰よりも自分が大切なんだろうけど、そんな時に少しでも相手を想う優しさがあればいいのになぁ。って思ってしまった。

でも、優しさはいくら取り出しても減らないもので、人間全員それを持っているからその優しさをヨシカが出した時はホッコリしました。みんな自分のことで一生懸命だから相手を思った少しの心遣いがすごく響いたりするんですよね。

「感謝の言葉」が心を温める。

 

脳内にしかいない積極的なヨシカが、なんのひねくれもなく1人の名前もわからない誰かに声をかける瞬間がすごく好きでした。

 

毎日見る駅員さんやコンビニの店員さん、ちゃんと感謝しようと思いました。

そして自分の友人、仕事仲間、全部の自分をわかってもらっているのかと言えば、そんな人はほんのわずかしかいないし、自分が全部をわかってあげられてるなんてことは、多分ない。だからわかってあげられることはわかってあげたいと思うし、自分のことももう少し信じて話してみようと思う。

 

僕にとってのこの映画は、ラブコメディではなくて、そんな感じの映画でした。

 

furuetero-movie.com